請求先は二つある — 加害者と、強制保険
トルコの道路で負傷された場合、トルコ法は、運転者と、その車両の運行供用者(işleten) — 自己のために車両を運行させている者 — に対する損害賠償請求権を認めています。それとは別に、強制保険会社への直接請求権があります。誰かを先に訴える必要はありません。いずれも、トルコに滞在していなくても行使できます。
ここで、日本の方が最も混乱しやすい点を先に整理します。事故のあと、トルコでは二つの手続が別々に進みます。一つは刑事 — 警察と検察官が、運転者に犯罪が成立するかを調べる手続。もう一つは民事、つまりお金の請求です。刑事の記録は民事に効きます。証拠を生み、時効を延ばすことがあるからです。しかしそれはお客様の請求そのものではありません。検察官がお客様の代わりに賠償を請求してくれることはなく、刑事事件が終わっても、それだけで一円も支払われません。
民事では通常、二つの相手に同時に向き合います。
- 責任を負う人 — 運転者と、運行供用者。車両が事業者の名義で運行されている場合には、その事業者も並んで責任の枠に入ります。
- 強制責任保険(ZMSS) — 道路交通法第2918号(KTK)のもと、運行供用者は強制の対人・対物責任保険(現地では trafik sigortası と呼ばれます。位置づけとしては日本の自賠責保険に近いものですが、内容が同じというわけではありません)に加入する義務があり、被害者はその保険会社に対し、保険金額の限度で直接請求できます。
トルコの交通事故で実際に動くお金の大半は、この二つ目の経路を通ります。速く、しかも保険会社には支払能力があるからです。ただしこの補償には限度額と、法律で定められた免責があります。そして、お客様が受け取るべきものの一部 — とりわけ慰謝料 — は、この保険の外にあります。保険会社だけを相手にした請求は、気づかないうちに損害の一部を取りこぼします。二つの経路は、最初にまとめて検討する必要があります。
このページは外国人の方に向けて書いています。旅行中の方、在住の方、業務でトルコを通過された方、そしてトルコで亡くなられた方・重傷を負われた方のご家族です。なお、被害が衝突そのものではなく、事故後の治療によって生じた場合は、別の請求になります。医療過誤のページをご覧ください。
お客様はどの状況にあたりますか。
最初に確かめるべきは、時効です(KTK第109条)
このページで最も急ぐ話なので、面白い部分より先に書きます。KTK第109条のもと、自動車事故から生じる財産的損害の賠償請求は次のとおり時効にかかります。
- 被害者が損害と賠償義務者の両方を知った日から2年。かつ
- 何を知っていたか、いつ知ったかにかかわらず、事故の日から10年という上限。
ただし、重要な例外があります。請求のもとになった行為が犯罪に当たり、刑事法がその犯罪についてより長い時効期間を定めている場合には、その長い期間が適用されます。トルコでは、道路上の過失傷害・過失致死は訴追の対象となる犯罪です。したがって、現実の負傷や死亡を伴う事故では、2年よりかなり長い期間になることが少なくありません。「2年で終わったはずだ」という見立てが外れることがあるのはこのためであり、有罪判決に至っていない事案でも刑事記録を探す価値があるのはこのためです。
慰謝料は、別の条文の下にあります。正確に書いておきます。第109条が文言上扱っているのは財産的損害の賠償請求であり、慰謝料の請求は債務法(TBKTBKトルコ債務法(第6098号)トルコのほぼすべての私的合意の土台となる法律——契約、不法行為責任、賃貸借、雇用、委任、不当利得。用語集 →)の不法行為の時効に従います。もっともそちらも、損害と加害者を知った時から2年・行為の時から10年であり、行為が犯罪に当たり刑事法がより長い時効を定めている場合にその期間が及ぶ点も同じ形です。ですから実務上の答えは変わりません — 変わるのは根拠条文であって、日付ではありません。
外国からの請求者がつまずきやすい点が、さらに二つあります。
- 保険会社に手紙を出すことと、時効を止めることは別です。下でご説明する事前申立ては、保険会社を訴える前に踏まなければならない手続です。期限をリセットするものではなく、期限の内側で済ませておくべき作業だとお考えください。
- 時効の中断は双方向に働きます。第109条のもと、賠償義務者に対して時効が中断すれば保険会社に対しても中断し、保険会社に対する中断は賠償義務者にも及びます。古い案件ほど、この点が効いてきます。
事故から時間が経っている場合は、あきらめる前に確認してください。逆に、まだ余裕があると決めつける前にも確認してください。事故の日付と概要をお送りいただければ、他の話をする前に、まず時計の位置をお伝えします。
「相手の不注意」を立証する必要は、原則ありません
外国のお客様が最も多く誤解し、そのために損をされるのがこの点です。トルコの交通事故責任は、運転者の不注意をお客様が立証することを前提に組み立てられていません。
KTK第85条のもと、自動車の運行によって人が死亡し、負傷し、または物が損傷した場合、その車両の運行供用者は生じた損害について責任を負います。車両が事業者の商号・屋号のもとで、またはその事業者が発行した乗車券に基づいて運行されている場合、運行供用者と事業主は連帯して責任を負います。また運行供用者は、運転者および運行を補助する者の過失について、自らの過失と同様に責任を負います。これは危険責任です。不注意の認定にではなく、車両を運行させているという事実そのものに結びついています。
運行供用者が免れる道はKTK第86条にありますが、その扉は実際に狭いものです。責任を免れるには、運行供用者が次のすべてを立証しなければなりません。
- 自己および自己が責任を負う者に過失がなかったこと
- 車両の欠陥が事故に寄与していないこと。かつ
- 事故が不可抗力、または被害者もしくは第三者の重大な過失によって生じたこと
この扉を通れなかった運行供用者が、お客様にも事故について過失があったことを立証した場合、裁判官は事情に応じて賠償額を減額できます — 消滅させるのではなく、減額です。日本でおなじみの過失相殺と同じ発想で、部分的な過失は値引きであって、抗弁ではありません。ただし、この減額は請求先を移し替えられる性質のものではありません。減った分は、誰からも回収できません。
関連して、知っておく価値のある規定が二つあります。事故当時に車両が運行中でなかった場合には立証責任が逆転し、被害者の側が過失または車両の欠陥を立証しなければなりません。そしてKTK第111条のもと、この法律が課す責任を排除・縮減する合意は無効です。レンタカーの約款やツアーの申込条件の一文で、お客様の権利が消えることはありません。
運行供用者の危険責任とは別に、運転者自身も債務法第6098号(TBK)のもとで不法行為責任を負い、業務中の運転であれば使用者が責任を負うこともあります。
強制保険(ZMSS)への直接請求
KTK第91条は、第85条が課す責任をカバーするために、運行供用者に強制責任保険 — 現地で trafik sigortası と呼ばれる ZMSS — への加入を義務づけています。お客様の側から見たこの制度の意味は単純です。個人を追いかけ回さずに済むということ。保険会社に対して直接、保険証券の限度内で請求でき、その補償の枠組み — 何を、どの範囲でカバーするか — は事案ごとの交渉ではなく、強制自動車責任保険一般条件(Karayolları Motorlu Araçlar Zorunlu Mali Sorumluluk Sigortası Genel Şartları)によって標準化されています。もっとも、この一般条件がどこまで物を言うのかには、外国のお客様にとって見逃せない限界があります。少し下で扱います。
実務上、これは次のことを意味します。
- 支払える相手がいます。運転者に資産があるか、国外に出てしまったか、送達できる住所から消えたか — それがお客様の回収を左右しません。
- 相手を特定できます。保険会社は、警察の事故報告書に記載された車両ナンバーから、中央の保険記録を通じてたどれます。誰が保険を引き受けていたかを知るのに、運転者の協力は要りません。
- 限度額があります。補償は、事故日に有効だった保険証券により、被害者一人あたり・一事故あたりで上限が定められています。損害が上限を超える部分は、運行供用者と運転者個人に対して追及します — 二つの経路を並行して走らせる理由の一つです。
ただし、賠償の「金額」を決める物差しは、一般条件ではありません。ここは保険会社とのやり取り全体の土台に関わる点です。かつて強制保険の賠償額は、KTK第90条を通じて、一般条件の定める算定方式に従うという建て付けになっていました。憲法裁判所は2020年、第90条のうち、賠償額が「この法律に基づいて作成される一般条件」によって定まるとしていた文言を無効としました。その後、2021年の法改正で同条に加えられた部分も、あらためて無効とされています。現在の第90条のもとでは、強制保険による賠償はKTKの定める手続に従い、KTKが規律していない事項 — 慰謝料がその代表です — については債務法第6098号(TBK)の不法行為規定が適用されます。帰結は単純です。保険会社が「一般条件の計算ではこうなります」と数字を出してきたとしても、それが法の求める算定の答えと同じであるとは限りません。提示された数字は、検証すべき主張の一つです。
この補償には、法律上明文の免責もあります。KTK第92条のうち、負傷された外国人にとって効いてくるのは主に次の三つです。
- 慰謝料はZMSSの対象外です(第92条(f))。苦痛や悲しみに対する賠償は、強制保険会社ではなく、責任を負う人に対して請求します。なお、車両には強制保険の上に任意の上乗せ賠償保険(İhtiyari Mali Mesuliyet、İMM)が付いていることがあります。それが慰謝料にまで及ぶかどうかは、その保険証券の約款次第です — 当然に及ぶものとは考えず、証券を取り寄せて確認すべき事柄だとお考えください。
- お客様自身の過失割合に対応する部分も対象外です(第92条(g))。強制保険会社の負担は、被保険者側の過失割合に連動するのであって、損害の全部ではありません。
- 死亡事故では、亡くなった方自身の過失に対応する部分が除外されます(第92条(j))— 保険会社との関係において、です。
ここで、二つをはっきり分けてください。慰謝料については、回収できないという意味ではありません。請求先が変わるだけで、責任を負う人 — 運転者と運行供用者 — に対して請求します。これに対し、お客様自身の過失割合に対応する部分は、請求先が移るのではありません。KTK第86条およびTBK第52条のもとでの減額であり、賠償額そのものが、その割合の分だけ恒久的に小さくなります。他の誰かに付け替えられる性質のものではなく、誰からも回収できません。過失の鑑定書がこのページに繰り返し出てくるのは、そのためです。どう組み立てるかは戦略の問題であり、提示額が届いてからではなく、着手時に決めます。
保険会社を訴える前に、まず申し立てる — KTK第97条
これは手続上の落とし穴で、他国の制度に慣れている方ほどはまります。KTK第97条のもと、被害者は裁判所に行く前に、強制責任保険で定められた限度の範囲で、保険会社に対して書面で申立てを行わなければなりません。
その後の仕組みはこうです。保険会社が申立ての日から最長15日以内に書面で回答しない場合、または回答があってもそれが請求を満たさず争いがある場合、被害者は訴えを提起するか、法律第5684号に基づく仲裁に進むことができます。このどちらかが起きるまで、保険会社への扉は開きません。
実務的な意味は次のとおりです。
- 申立ては、中身のあるものでなければなりません。一般条件が求める添付書類を欠いた申立ては、「15日はまだ始まっていない」と扱う口実を保険会社に与えます。本体は手紙ではなく、書類です。
- 15日は「回答」の期間であって、「支払」の期間ではありません。請求を拒絶する回答も、ごく一部しか認めない回答も、沈黙と同じように仲裁または裁判への道を開きます。むしろそれが最短ルートになることも多いのです。
- 対象は保険会社だけです。この要件は保険会社に対する請求についてのものであり、運転者や運行供用者個人に対する請求の前提ではありません。
すでに申立てをせずに訴えてしまった場合でも、終わったと決めつけないでください。トルコの確立した判例(yerleşik içtihat)は、第97条の申立てを、請求を即座に消滅させるものではなく、後から補完できる訴訟要件として扱っています。ただしこれは修復であって、計画ではありません。そして第109条の時効との関係で、失う余裕のない時間を使います。
保険仲裁委員会か、裁判所か
第97条の道が開いたあと、進める場が二つあります。気分で選ぶ選択肢ではありません。届く相手が違うからです。
保険仲裁委員会(Sigorta Tahkim Komisyonu)は法律第5684号に基づいて設置された機関で、保険をめぐる紛争を判断します。一般に民事裁判所より速い経路です。ただしその射程は保険会社で止まります。判断するのは、保険証券の限度内で、第92条の免責を前提として、保険会社がいくら負うかだけです。
強制交通保険については、一点はっきりさせておきます。法律第5684号第30条は、法令によって加入が義務づけられている保険から生じる紛争について、当該保険会社が仲裁制度の会員でなくても、権利者は仲裁手続を利用できると定めています。強制交通保険は、まさにその義務保険です。したがって、相手方の保険会社が委員会の会員かどうかは、この扉が開くかどうかを左右しません。KTK第97条も、保険会社が15日以内に回答しない場合などの進み先として、仲裁を明文で挙げています。
民事裁判所は全員に届きます。保険会社、運行供用者、運転者、使用者。慰謝料が判断されるのも、限度額を超える部分が回収されるのも、こちらです。管轄について、KTK第110条は、自動車事故から生じる責任の訴えを、保険会社の支店もしくは保険契約を締結した代理店の所在地の裁判所、または事故の発生地の裁判所に提起できると定めています。また同条は、車両の運行供用者や所有者が国その他の公共団体である場合を含め、これらの訴えが民事裁判所で審理されることも定めています。
率直にまとめます。限度内で、保険会社に対する財産的損害の請求が中心であれば、通常は仲裁が理にかなった場です。慰謝料が実質的に大きい場合、死亡事故の場合、後遺障害率が争われる場合、あるいは損害が補償の上限を超える場合には、裁判所の請求が、仲裁には構造上できない仕事をします。両方を使うべき事案も少なくありません。当事務所は、医学的証拠と過失の証拠が揃ってから場を選びます — その前は、どちらが合うのか誰にも言えないからです。
請求できる損害の中身
KTKが定めていない事項、および慰謝料については、債務法第6098号(TBK)の不法行為規定が適用されます。日本の交通事故に慣れた方には見取り図が近く見えますが、算定の物差しは別物です — 日本の後遺障害等級表や、いわゆる「赤い本」の基準は、トルコでは通用しません。
負傷された場合(TBK第54条)
- 治療費 — 医療・入院に要した支出。
- 休業損害 — 就労できなかった期間の収入の喪失。
- 労働能力の喪失・低下による損害 — 後遺障害の項目で、重い事案では通常、単独で最大の構成要素になります。
- 経済的将来の毀損による損害 — 測定できる収入減にとどまらず、稼働の見込みそのものが損なわれた場合。目に見える瘢痕や、その職種を続けられなくする制約などです。
亡くなられた場合(TBK第53条) — この条文は三つの項目しか挙げていません。正確に書きます。
- 葬儀費用。
- 死亡が即時に生じなかった場合には、治療費、および労働能力の喪失・低下から生じた損害。「即死でなかった場合」という条件は、この二つの両方にかかります。
- 扶養の喪失(destekten yoksun kalma) — 亡くなった方の扶養を失った人が被った損害。下の項で扱います。
第53条に、独立した「収入の喪失」という項目はありません。稼働収入の喪失は、負傷の事案について第54条が扱う問題です。細かく見えるかもしれませんが、死亡事案の請求の組み立て方そのものが変わるところなので、書き分けています。
慰謝料(TBK第56条):身体の完全性が侵害された場合、裁判官は個別の事情を考慮して相当額を認めることができ、重大な身体的傷害または死亡の場合には、近親者にも相当額が認められ得ます。この項目がKTK第92条(f)により強制交通保険の対象外であること — したがって責任を負う人に対して請求するものであること — を忘れないでください。
治療費について、トルコ固有の点が一つあります。KTK第98条のもと、交通事故の負傷者に病院が提供した保健サービスの費用は、その負傷者に社会保険の適用があるかどうかにかかわらず、適用される償還規則に従って社会保障機構(SGK)が負担します。トルコの保険を持たない旅行者にとってこれは大きな意味を持ち、同時に請求の形も変えます。SGKが治療費を負担した場合、治療費は保険会社に対する請求項目として残らないことがあるためです。それでも領収書はすべて保管してください。何が負担され、何が負担されなかったかは、証拠の問題です。
当事務所の交通事故 損害賠償の計算ツールで、請求のおおよその形を確かめられます。ただしその出力は算定の考え方を示す例示であって、お客様の事案の評価額ではありません。実際の数字は過失と後遺障害の鑑定書が決めるもので、このページを読んでいる時点では、その鑑定書はまだ存在しません。
「こちらにも過失があったのだから、もう請求はできない」
KTK第86条、そしてTBK第52条の一般原則のもとで、被害者の過失は、裁判官が事情に応じて賠償額を減額する理由にはなりますが、消滅させる理由にはなりません。ただし減った分は、他の相手に付け替えられるものではなく、誰からも回収できません。第92条(g)により、その部分は強制保険会社の補償の外にも出ます。過失の鑑定書がこれほど金額を動かすのはそのためです。そして鑑定書は百分率で示された専門家の意見であって、事実そのものではありません。争うことができます。
「トルコの強制保険が慰謝料も払ってくれるはずだ」
KTK第92条(f)は、慰謝料を強制交通保険の補償の外に明示的に置いています。もっとも、失われるわけではありません。TBK第56条に基づき、運転者と運行供用者個人に対して請求します。車両には強制保険の上に任意の上乗せ賠償保険(İhtiyari Mali Mesuliyet、İMM)が付いていることがありますが、それが慰謝料にまで及ぶかどうかは、その証券の約款次第です。当然に及ぶものとは考えず、取り寄せて確認すべき事柄です。
「保険会社に手紙を出したので、時効は止まっている」
KTK第97条の書面による申立ては、保険会社を訴える前に踏まなければならない手続であって、時効期間をリセットするものではありません。期限の内側で済ませておくべき作業だとお考えください。なお第109条のもと、時効の中断は賠償義務者と保険会社との間で双方向に働きます。古い案件ほど、この点が効いてきます。
金額を決めるのは、過失割合(kusur)と後遺障害(maluliyet)です
トルコの交通事故請求では、二つの鑑定結果がお金のほとんどを決めます。ほかはだいたい、その周りの手続です。
過失割合(kusur oranı)。裁判所または委員会が選任した鑑定人が事故を再現し、各当事者の過失を百分率で示します。材料になるのは、警察の事故確認書(kaza tespit tutanağı)、現場の見取図、その場で取られた供述、車両の損傷の状況、そして防犯カメラやドライブレコーダーの映像です。お客様の賠償額はご自身の割合の分だけ減り、しかもその減額分は、別の相手に付け替えられるものではありません。強制保険会社との関係では、KTK第92条(g)によりご自身の過失割合に対応する部分がそもそも補償の外に出ます。過失の鑑定書は専門家の意見であって、自然界の事実ではありません。異議を述べることができますし、薄い事故報告書の上に組み立てられた鑑定書であれば、異議を述べるべき場合が多くあります。
後遺障害(maluliyet)。医療委員会が、お客様の永続的な機能障害を百分率で評価します。用いられるのは、お客様の事故に適用されるトルコの障害評価規則であり、診療記録と診察が基礎になります。その割合が、収入と公認の生命表を用いた保険数理計算に入り、稼働可能期間全体にわたる損失として投影されます。日本の等級認定とは仕組みも基準も異なるため、日本での認定結果がそのまま持ち込まれるわけではありません — ただし、その資料は極めて有力な証拠になります。
ここから実務上の帰結が三つ出てきます。事案の勝敗が早い段階で決まる理由でもあります。
- 医学的鑑定書は、金額に対する最大のてこです。低すぎる後遺障害率、あるいは症状が固定する前に出された評価は、請求額を恒久的に押し下げます。誤っているなら、争う価値があります。
- 時期が重要です。治療が終わりきる前の評価は、動いている的を測ることになり、しかも保険会社に有利な方向に測れがちです。
- 日本での記録が証拠です。帰国後の継続的な治療、リハビリ、専門医の所見は、被害が続いていることを裏づけます。外国からの請求者は、請求のうち最大の項目を証明できたはずの書類を、決まって捨ててしまいます。
後遺症が残った場合、金額を動かすのは結局この二つ — 障害率と、お客様の収入です。診療記録と事故の資料をお送りいただければ、その二つがお客様の事案でどのように効いてくるのかを、具体的にご説明します。
死亡事故:扶養の喪失(destekten yoksun kalma)
ご家族がトルコの交通事故で亡くなられた場合、請求の中心はTBK第53条に基づく扶養の喪失(destekten yoksun kalma)です。外から見て構造が分かりにくい部分なので、どういう性質の請求なのかを押さえてください。
これは相続する請求ではありません。相続財産を通りませんし、相続分のように分けるものでもありません。亡くなった方が現に扶養していた人、または通常の経過であれば扶養し続けたはずの人が、自分自身の権利として持つ請求です。トルコの確立した判例(yerleşik içtihat)が認めるこの原則には、現実の帰結があります。
- 扶養は事実の問題で、形式の問題ではありません。請求できる範囲は法定相続人に限られません。配偶者、子、親が通常の請求者ですが、判断の物差しは、現実の、あるいは合理的に見込まれた扶養であって、戸籍上の続柄ではありません。
- 賠償額は一人ひとり別々です。その方自身の扶養の実態 — 何を、どれだけの期間受け取り続けたはずか — に基づいて算定されます。
- 近親者は、自身の名で慰謝料も請求できます(TBK第56条)。ただしこの項目は強制交通保険の外にあり、責任を負う人に対して追及することになります。
死亡事案では葬儀費用も請求でき、死亡が即時に生じなかった場合には、死亡前の治療費に加えて、労働能力の喪失・低下から生じた損害も対象になります(TBK第53条)。強制保険会社との関係では、KTK第92条(j)により、亡くなった方自身の過失に対応する部分が補償の外に出ることにご注意ください。
海外にお住まいのご家族の場合、算定は、亡くなった方の現実の収入と事情、そして実際にお客様へ流れていた扶養の実態を土台に組み立てられます。別の国に住んでいたこと、別の通貨で支えられていたことは、請求を妨げません。ただしそれによって、扶養の証拠 — 送金、領収書、家計の実際の取り決め — が、付随的なものではなく中心的なものになります。早めに集めてください。何年も経ってから再構成するのは、非常に困難です。
無保険、ひき逃げ、保険会社の破綻 — Güvence Hesabı
旅行中の方から最も多く受けるご質問は、だいたいこの形です。「車は走り去ってしまい、ナンバーを見た人もいない。もう打つ手はないですよね?」— 必ずしもそうではありません。
保険業法第5684号第14条に基づいて設けられたGüvence Hesabı(保障勘定)は、まさに強制保険の仕組みが機能しない場面のために存在します。位置づけとしては、日本の政府保障事業に近いものだとお考えください。おおむね、次のような場合をカバーします。
- 損害を生じさせた車両を特定できない場合 — ひき逃げです。
- 車両が、KTK第91条の義務に反して無保険だった場合。
- 保険会社が支払不能となり、請求に応じられない場合。
- その他、第14条が定める一定の場合。
正直な留保を二つ。この勘定が応じるのは強制保険の限度内です。欠けているZMSSの代わりであって、それより手厚いものではありませんから、第92条の免責の考え方がそのまま期待値に効いてきます。そしてこの勘定には独自の申請手続と、保険会社とは同じでない独自の必要書類があります。申請は、中身よりも書類で落ちることの方が多いのです。
外国人の方への実務的な結論はこうです。ひき逃げや、相手が無保険だったと判明した瞬間は、あきらめる瞬間ではなく、確認する瞬間です。この道を開いたままにしてくれるのは、警察の事故報告書と、その場で行われた刑事告訴です。だからこそ次の証拠の話は、いちばん絶望的に見える事案でこそ、いちばん重要になります。
いま保全すべき証拠
交通事故の請求は、最初の数時間に作られた書類で勝ち、誰も集めなかった書類で負けます。事故から間もない時期にこれを読んでいるなら、行動すべきはこの項目です。
- 警察の事故確認書(kaza tespit tutanağı)。これが記録の背骨です。過失の鑑定書の材料になり、車両とその保険を特定します。写しを取得してください。警察が臨場したなら存在します。当事者同士の合意書式で処理された場合は、その書式を保管してください。
- 動かす前の写真。車両の位置、ナンバー、各車両の損傷、スリップ痕、路面、標識、照明、天候。可能であれば相手方運転者の身分証と保険証券も撮影してください。
- 身元。相手車両のナンバー、運転者の氏名、保険の情報。そして目撃者の氏名と電話番号 — 目撃者は数分で散り、あとから見つけることは事実上できません。
- 医療関係のすべて。救急搬送の記録、画像、退院時要約(epikriz)、処方箋、領収書。そして帰国後の同じ記録も。日本での継続治療こそが、被害は飛行機に乗った時点で止まっていないことを証明します。
- 刑事記録。検察官が捜査を開始していれば、その記録には、こちらで費用をかけて作り直すことになる鑑定と供述が入っています。被害者の立場であれば、告訴がきちんと記録されたかを確認してください。
- 乗客だった場合は、運行事業者を控えてください。タクシー、ミニバス、路線バス、長距離バス、ツアーバス — 運送人には固有の責任と固有の保険があり、運転者とは別の経路になります。
読めない書類には署名しないでください。事故現場でも、病院でも、保険会社の事務所でも。トルコ語の書類を差し出され、誰かがその内容を説明しているとき、その説明は書類ではありません。
すでに帰国された方へ — 委任状で進められます
交通事故について当事務所にご連絡くださる方の多くは、すでにトルコにいらっしゃいません。それが普通であり、それによって請求が弱くなることはありません。
MÖHUK第5718号第34条のもと、不法行為から生じる債務は、その行為が行われた国の法によって規律されます。行為地と結果発生地が異なる国にある場合には、損害が発生した国の法が適用されます。トルコの道路上の事故は、トルコの裁判所における、トルコ法の請求です。そしてお客様にとって決定的なのは、これが弁護士が遂行する請求だということです。制度が求めているのは出頭ではなく、代理です。
委任状(vekaletnameVekâletname公証人が作成する委任状弁護士その他の者があなたに代わって行動することを認める、公証人作成の公式書面。用語集 →)。お住まいの国で委任状に署名していただきます — 公証とアポスティーユを受け、宣誓されたトルコ語訳を付します。あるいはトルコの領事館で作成します。この一通で、当事務所は事故報告書を取得し、保険会社を特定して接触し、刑事記録にアクセスし、第97条の申立てを行い、仲裁または訴訟を遂行できます。トルコへ戻る必要はありません。
訴訟費用の担保(teminat)。不意打ちにならないよう、先にお伝えします。MÖHUK第48条のもと、トルコで訴えを提起し、訴訟に参加し、または強制執行を行う外国人の請求者は、担保の提供を命じられることがあります。同条第2項は相互主義がある場合の免除を定めており、多くの国籍について、条約または確立した相互主義を通じてこの免除が適用されます。お客様の国籍については明確な答えのある問題ですので、命令が出てから慌てるのではなく、提訴の前に確認します。
勝訴しても相手が任意に支払わない場合、回収はそれ自体が一つの作業です。債権回収・強制執行のページをご覧ください。
早すぎる示談と免責書(ibraname)にご注意 — KTK第111条
名前を付けておく価値のあるパターンがあります。外国からの請求者が、いつも出くわすものだからです。提示が早く来ます — まだ痛みが残り、出費がかさみ、読めない言語でやり取りし、後遺障害の評価などまだ存在しない時期に。それは示談として提示され、署名すべき免責書(ibraname)が付いてきます。
問題は、その提示が必ず悪いということではありません。まだ誰にも良し悪しを判断できないということです — 提示している側にも、です。後遺障害率と過失割合が出るまで、請求には測れる価値がありませんから、提示額を比べる相手が存在しません。その段階で金額に合意するのは交渉ではなく、情報の少ない側が行う当て推量です。
トルコ法もこの問題を認識しています。KTK第111条のもと、
- この法律が課す責任を排除または縮減する合意は無効です。そして
- 賠償額に関する合意または示談で、著しく不十分または著しく過大なものは、その成立の日から2年以内に取り消すことができます。
二つ目の規定は、慎重にお読みください。両方向に切れるからです。すでに署名してしまい、あとから判明した損害に照らして明らかに不十分だったと分かった場合、それが自動的に終わりを意味するわけではありません。ただし窓は合意の日から2年であり、これは第109条の時計とは別に走る、より短い時計です。頼りにできる安全網ではありません。閉まっていく、狭い扉です。
当事務所の方針は単純です。医学的証拠が出るまでは、提示を受けるべきかどうかの助言はしません。その前の助言は、意見の形をした当て推量にしかならないからです。提示を受けた、あるいはすでに免責書に署名してしまった場合は、経緯と日付をお知らせください — 書類に記された日付が、最初に効いてきます。
自動車の運行から生じた損害についての運行供用者の危険責任、強制交通保険(ZMSS)と被害者の保険会社に対する直接請求権、その補償からの免責、提訴前の保険会社への申立て、管轄、財産的損害の請求の時効、そして責任を縮減する合意の無効を定めています。
KTKが規律していない事項について、不法行為の請求そのものを定めます。負傷の場合と死亡の場合の損害の項目、扶養の喪失、慰謝料、そして被害者自身の寄与による賠償額の減額です。
ひき逃げ・無保険・保険会社の支払不能の場合に備える Güvence Hesabı(保障勘定)と、保険仲裁委員会を定めています。法令で加入が義務づけられた保険については、当該保険会社が委員会の会員でなくても仲裁を利用できます。
交通事故の請求をどのように進めるか
何があったかをお聞かせください
事故の経緯と、お手元にある書類 — 事故報告書、病院の書類、写真、保険会社からの通知 — をお送りください。トルコの交通事故請求の要件に照らして検討し、追行する価値のある請求があるのか、何が足りないのか、何が必要になるのかを正直にお伝えします。ご連絡は日本語で承ります。
何よりも先に、時計を確認します
財産的損害については、KTK第109条のもとでのお客様の位置をまず確定します。損害と賠償義務者をいつ知ったか、10年の上限が問題になるか、刑事記録によってより長い期間が使えるか。慰謝料の請求は債務法(TBK)の不法行為の時効に従いますが、こちらも2年・10年で、刑事による延長の仕組みも同じ形です。期限が近い場合は、それがすべての作業の順序を決めます。
遠隔でのご選任
お住まいの地で委任状に署名していただきます — 公証とアポスティーユを受け、宣誓されたトルコ語訳を付すか、トルコの領事館で作成します。費用は着手前に書面で合意します。当事務所を選任するためにトルコへ渡航する必要はありません。
記録を組み立てます
警察の事故確認書を取得し、中央の保険記録から車両の強制保険会社を特定し、刑事捜査の記録があればアクセスし、トルコと日本の双方の診療記録を集め、後遺障害と過失の証拠を、進む場が求める水準まで整えます。任意の上乗せ賠償保険(İMM)が付いている場合は、その証券を取り寄せ、約款が何をカバーしているのかを確認します。
保険会社への第97条申立て
一般条件が求める書類を揃えて保険会社へ書面で申し立て、15日の回答期間を実際にスタートさせます。沈黙も、不十分な回答も、仲裁または裁判への道を開きます — どちらに転んでも記録は前に進みます。
仲裁または裁判、そして回収
保険会社に対する請求は保険仲裁委員会または裁判所へ、保険がカバーしない部分 — 慰謝料、限度額を超える部分 — は運行供用者と運転者に対して追及します。判断が任意に履行されない場合は、強制執行を行います。
いま集めておくもの
交通事故の請求は、最初の数時間に作られた書類で勝ち、誰も集めなかった書類で負けます。事故から間もないのであれば、今日動くべきはこの項目です。何年も前の事故であれば、まだ残っているものを集めたうえで、他の話より先に期限を確認してください。
トルコの交通事故 損害賠償に関するよくあるご質問
すでに帰国しています。それでも請求できますか。期日に出席する必要はありますか。
請求できます。MÖHUK第5718号第34条のもと、不法行為から生じる債務は行為地の法により、行為地と結果発生地が異なる場合は損害発生地の法により規律されます。トルコの道路上の事故は、トルコの裁判所におけるトルコ法の請求です。お住まいの国で委任状に署名して(公証・アポスティーユを受け、宣誓されたトルコ語訳を付すか、トルコの領事館で作成して)当事務所を選任していただければ、出頭は当事務所が行います。外国からの請求者が、トルコへ戻らないまま手続を終えることは通常のことです。ご自身で期日に出席されたい場合は、通訳を追加費用にてお手配できます。
請求の期限(時効)はどれくらいですか。
財産的損害の賠償請求については、KTK第109条のもと、原則として、損害と賠償義務者の両方を知った時から2年、そしていかなる場合も事故の日から10年です。ただし、事故が犯罪にも当たり、刑事法がその犯罪についてより長い時効期間を定めている場合には、その長い期間が適用されます — 死亡や重傷を伴う事故では、しばしばこちらになります。慰謝料の請求は第109条ではなく債務法(TBK)の不法行為の時効に従いますが、そちらも2年・10年で、刑事による延長も同じように働きます。ですから実務上の答えは同じ形になります。いずれにせよ、お客様の事案の期限は、どちらの方向にも決めつけず、確認すべき事柄です。
相手の運転者に不注意があったことを、こちらで立証しなければなりませんか。
原則として不要です。ここは多くの方が驚かれる点です。KTK第85条のもと、車両の運行供用者は、その運行から生じた損害について責任を負い、運転者の過失についても自らの過失と同様に責任を負います。第86条のもとで運行供用者が免れるには、自己側に過失がなかったこと、車両の欠陥が寄与していないこと、そして事故が不可抗力または被害者もしくは第三者の重大な過失によって生じたことを立証しなければなりません。厳しい要件であり、その負担は運行供用者の側にあって、お客様の側にはありません。
保険会社に直接請求できますか。
できます。保険証券の限度内で、というのが強制交通保険(ZMSS)制度の核心的な利点です。ただしKTK第97条は、保険会社を訴える前に書面での申立てを求めています。保険会社は申立ての日から最長15日以内に書面で回答しなければならず、回答がない場合、または回答が請求を満たさない場合には、裁判所または法律第5684号に基づく仲裁に進むことができます。
相手が無保険だった、あるいは走り去ってしまった場合はどうなりますか。
そのために、保険業法第5684号第14条に基づく Güvence Hesabı(保障勘定。位置づけとしては日本の政府保障事業に近いものです)があります。車両を特定できない場合(ひき逃げ)、車両が無保険だった場合、保険会社が支払不能となった場合、および第14条が定めるその他一定の場合に、強制保険の限度内で応じます。独自の手続と必要書類があります。この道を使えるようにしておくのは、警察の事故報告書と、その場で記録された告訴です。
トルコの強制保険から慰謝料は支払われますか。
支払われません。KTK第92条(f)は、慰謝料の請求を強制交通保険の補償の外に明示的に置いています。慰謝料はTBK第56条に基づき、強制保険会社ではなく、責任を負う人 — 運転者または運行供用者 — に対して請求します。なお、車両に任意の上乗せ賠償保険(İhtiyari Mali Mesuliyet、İMM)が付いていることがありますが、それが慰謝料にまで及ぶかどうかは、その証券の約款次第です。当然に及ぶものではありませんので、証券を取り寄せて確認します。強制保険会社だけを相手にした請求が取りこぼしを生む、主な理由の一つがこの点です。
仲裁と裁判、どちらを選ぶべきですか。
速さだけの問題ではありません。届く相手が違うからです。法律第5684号に基づく保険仲裁委員会は一般により速い一方、判断するのは保険会社が負う金額だけで、保険証券の限度内、かつ第92条の免責が前提になります。なお、強制交通保険のように法令で加入が義務づけられている保険から生じる紛争であれば、相手方の保険会社が委員会の会員でなくても仲裁を利用できます(法律第5684号第30条)。裁判所は運行供用者と運転者にも届き、慰謝料を判断し、補償の上限を超える部分を回収します。死亡事故、慰謝料が大きい事案、損害が限度額を超える事案では、裁判所の請求が、仲裁には構造上できない仕事をします。両方を使うべき事案も多く、選択は医学的証拠と過失の証拠が揃ってから行うのが適切です。
こちらにも過失がありました。請求は終わりですか。
終わりではありません。KTK第86条のもと、被害者の過失は、裁判官が事情に応じて賠償額を減額する理由にはなりますが、消滅させる理由にはなりません。ただし、この減額分は請求先を移し替えられるものではない点にご注意ください。慰謝料のように「相手を変えて請求する」話ではなく、賠償額そのものが、その割合の分だけ小さくなります。第92条(g)により、ご自身の過失に対応する部分は強制保険会社の補償の外にも出ます。過失は百分率で示された鑑定書によって認定されますが、その鑑定書は意見であって事実ではありません。争うことができます。
私は同乗者でした。立場は変わりますか。
通常は有利に働きます。同乗者が衝突について過失を問われることはまれで、請求を最も削るあの減額がなくなるからです。事故の態様によっては、相手車両とその強制保険会社に加えて、ご自身が乗っていた車両に関する請求も成り立ち得ます。タクシー、ミニバス、路線バス、長距離バス、ツアーバスに乗っていた場合は、運行事業者を控えてください。運送人には固有の責任と固有の保険があります。
保険会社から示談を提示されました。応じるべきでしょうか。
誰にもその金額を測れない段階では、お勧めしません。後遺障害率と過失割合が出るまで、請求には確定できる価値がなく、提示額を比べる相手がありません。保険会社が一般条件の計算式を示してきても、それが法の求める算定と一致するとは限らない点にもご注意ください。KTK第111条も重要です。法律が課す責任を排除・縮減する合意は無効であり、賠償額に関する合意・示談で著しく不十分または著しく過大なものは、成立の日から2年以内に取り消すことができます。すでに免責書(ibraname)に署名された場合は、そこに記された日付を最初にお知らせください。
外国人だと、訴訟費用の担保を求められますか。
求められることがあります。先に知っておく方がよい点です。MÖHUK第48条のもと、トルコで訴えを提起し、参加し、または強制執行を行う外国人の請求者は、担保の提供を命じられることがあります。同条第2項は相互主義がある場合の免除を定めており、多くの国籍について、条約または確立した相互主義を通じてこの免除が適用されます。お客様の国籍については明確な答えのある問題ですので、提訴の前に確認します。
家族がトルコの交通事故で亡くなりました。誰が請求できますか。
中心となるのは、TBK第53条に基づく扶養の喪失(destekten yoksun kalma)です。これは相続する請求ではなく、相続分のように分けるものでもありません。亡くなった方が現に扶養していた人、または扶養したはずの人が、自分自身の権利として持つ請求です。扶養は事実の問題であり、その範囲は法定相続人に限られません。近親者は、自身の名でTBK第56条に基づく慰謝料も請求できます — この項目は強制保険会社の補償の外にあります。第53条はこのほかに葬儀費用を挙げ、死亡が即時に生じなかった場合には、死亡前の治療費および労働能力の喪失・低下から生じた損害も対象になります。
事故後の入院・治療費は誰が払うのですか。
KTK第98条のもと、交通事故の負傷者に病院が提供した保健サービスの費用は、その負傷者に社会保険の適用があるかどうかにかかわらず、適用される償還規則に従って社会保障機構(SGK)が負担します。トルコの保険を持たない旅行者にとっては大きな意味があります。同時に請求の形も変わります。SGKが治療費を負担した場合、治療費は保険会社に対する請求項目として残らないことがあるためです。それでも記録と領収書はすべて保管してください。何が負担され、何が負担されなかったかは、証拠の問題です。
日本の後遺障害等級認定や「赤い本」の基準は使えますか。
そのままは使えません。トルコで生じた損害はトルコ法により算定されます。後遺障害は、事故に適用されるトルコの規則に基づく障害率(maluliyet)として医療委員会が評価し、過失は鑑定人が百分率(kusur oranı)で示します。日本の自賠責・任意保険・裁判基準で計算した金額を、そのままトルコの請求額として持ち込むことはできません。ただし、日本の資料が無意味だという意味ではまったくありません。日本での診断書、画像、後遺障害に関する資料、継続治療とリハビリの記録は、トルコの鑑定にとって極めて有力な証拠です。捨てないでください。
強制保険の「一般条件」で金額が決まってしまうのですか。
いいえ。ここは押さえておく価値のある点です。かつては、KTK第90条を通じて、強制保険の賠償額が一般条件(Genel Şartlar)の算定方式に従って決まるという建て付けになっていました。憲法裁判所は2020年、第90条のうち、賠償額が一般条件によって定まるとしていた文言を無効としました。2021年の法改正で同条に加えられた部分も、その後あらためて無効とされています。現在の第90条のもとでは、強制保険による賠償はKTKの定める手続に従い、KTKが規律していない事項 — 慰謝料がその代表です — については債務法(TBK)の不法行為規定が適用されます。実務的には、保険会社が示す一般条件ベースの計算は、法が求める算定の答えと一致するとは限らない、ということです。検証すべき主張の一つとして扱います。
手続は何語で行われますか。日本語で対応してもらえますか。
トルコの裁判所の言語はトルコ語です。訴状も、証拠も、鑑定書も、期日でのやり取りも、すべてトルコ語で行われます。当事務所が法的サービス — 法的助言、書面の作成、法廷での活動 — を提供する言語は、英語とトルコ語です。日本語については、ご連絡とご報告を日本語で承ります。つまり、お客様は日本語でご事情や書類をお送りいただけますし、進捗のご報告も日本語で差し上げます。打合せや期日で日本語の通訳が必要な場合は、追加費用にてお手配します。誤解のないよう、はっきり申し上げます。当事務所に日本語で法廷活動を行う弁護士はおりませんし、日本語での法的助言も提供しておりません。日本語は、お客様と当事務所をつなぐ連絡の言語です。